
この一年で新しくフォローしてくださった方も増えたので、今日は少し原点の話を。
私が初めてフィンランドへ行ったのは1999年。まだ20世紀だった頃のこと。インスタどころか、今みたいな“ネットで全部わかる時代”ではなかった。
しかも観光ではなく、1か月のホームステイ。
ここから、私とフィンランドの長いご縁が始まっている。
これまで何度も「そもそも、なぜフィンランドだったんですか?」と聞かれてきた。自分でも時々不思議に思うけれど、振り返ると理由はとても単純だった。
“情報がなかった”から。
当時の私は、ハワイとイタリアには行ったことがあって、ぼんやり「次は日本人があまりいない場所に行ってみたいな」と思っていた。
そんな時に目に入ったのがフィンランド。
でも、「北欧」というイメージはあっても、フィンランド単体になると何も浮かばない。周りに行った人もいない。今みたいに特集本が山ほど並んでいるわけでもない。本屋に行っても、北欧5か国まとめて一冊、みたいなガイドブックしかない時代だった。
今の感覚だと、ちょっと想像しにくいかもしれない。
今なら、誰かのインスタを見て、YouTubeで予習して、口コミを読んで、数時間で“行った気分”になれてしまう。でも当時は違った。
だからこそ、知らない場所に強く惹かれた。
情報がない。
だから知りたい。
その感覚が、私をフィンランドへ向かわせたのだと思う。
そしてある日、「帝国ホテルにフィンランド政府観光局があるらしい」と知る。
学生だった私にとって、帝国ホテルは完全に別世界。場違いじゃないかと緊張しながら入っていったあの日のことを、今でも妙に鮮明に覚えている。
そこでパンフレットを手にした瞬間、なぜか思った。
「行きたい!」
しかも、「行くなら観光じゃなくてホームステイだ!」と。
今思えば、かなり勢いだった。英語もろくに話せないのに、気持ちだけは妙に強かった。若さ特有の、あの根拠のない行動力。
でも、あの時の“無謀さ”が、結果的に人生を大きく変えた。
あの1か月がなければ、今の私はたぶん存在していない。
だから今、若い人たちを見るとつい思う。
SNSで情報を集めるのも楽しい。でも、情報だけで世界を知った気にならないでほしい。
自分で行って、自分で見て、自分で感じること。
誰かの投稿ではなく、「自分だけの体験」をたくさん積み重ねてほしい。
人生を変えるのって、案外そういう、冒険心ある一歩だったりするから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【イラスト担当megu.megoより一言】
ネイルサロンをやってます。北欧テイストも得意なので、ぜひインスタフォローしてください。
Instagram:@ni_mego
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【過去のイラストエッセイ記事】

